車の自動運転は実用化に向けた取り組みが加速していますが、船舶の分野では既に自動運転の実用化が始まっています。船舶の場合は潮の流れや風の影響を受けやすく、姿勢制御をした上で走行しなくてはならない、指標となるレーン等も存在しない等、車より自動制御の難しい点が幾つもあります。
逆に海上では障害物となるものが少なく、車に比べると衝突の危険性は低い為、一定の制限はありますが自動運転として実用化が成り立っています。

現在、技術的に自動運転は可能ですが操舵者の居ない状況での使用は出来ず、完全な自動化に向けての研究が進んでいます。海上で緊急事態が発生した際の対応など安全面に留意したシステム設計にも重点を置いて、より安全により快適に使用できる自動運転技術の開発が進められています。

また、船舶における排ガス対策は十分に行われていないのが現状です。そこで航行中に排気ガスを出さず、急速充電した電池で推進する船に注目が集まっています。電動推進の船は環境に優しいだけでなく、音も静かで排気ガスの臭いがしません。この技術は運河などの市街地の観光船、フィッシング等に適しています。バッテリーやモーター、充電のための設備などは電気自動車で使われている製品を利用し、コストを抑える工夫も取り入れながら実用化に向けて開発しています。

自動操船システム

統合された操船制御システムで、直感的で分かりやすく正確に操船が可能です。
下記の様な技術をお客様と共に作り上げるために、仕様検討から支援致します。

  • 他船検出
    カメラやレーダーからの情報を統合して他船や障害物を自動で検知する技術
  • 衝突回避
    衝突防止に向け、回避ルートを判断して危険を回避する
  • 船陸間通信
    運航する船の様々な情報を統合し、データを陸上のステーションと共有する技術
  • 自動着岸
    GPSを用いて精密測位や高精度の運転システムを連携させることで、自動着岸を可能にする

電動化

エンジン駆動の船外機をモーターへ置き換える取り組みは、動力だけでなく、動力のコントロールや操舵などが複雑に連携したシステム開発となるため、高効率の発電制御や電池管理制御のなどの経験があります。電動モーターを動力とする推進器ユニットと、動作を制御するリモートコントロールボックス、そして直感的な操作を可能とするジョイスティックなどで構成される次世代プラットフォーム開発を支援しています。